バラの腕時計

 ふと気づくと、もう3月も終わります。気候もすっかり春めき、ほんの数週間前までダウンコートが手放せなかったのが、うそのようです。
 さて、春といえば花、ということで、バラのアクリルパーツを使った時計を作りました。

 
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 どこかで見た、ブレスレットウォッチのデザインを参考にしています。バラの花の形のアクリルパーツとパールビーズを使いました。普段使いにもなるようなシンプルなデザインを狙ったのですが、瀟洒な雰囲気となってしまいました。が、これはこれで華やかな雰囲気でもあり、気に入っています。

 さて、今日は外出した帰り、黄昏時の薄闇の中、染井吉野の並木を通って帰ってきました。
 私の住む北関東でも、染井吉野はかなり散りつつあります。個人的に、散りかけ散った直後の染井吉野は、花びらのないがくだけが妙に目立ち、みすぼらしいという印象を持っています。しかし、散りかけでであっても、黄昏時に見る染井吉野は、淡い薄紅色の花だけが薄闇の中で浮いて見えて、散る前の華やかさを残しているように見えました。日中の隈なき光の下ではみすぼらしいのに、夕刻の暗がりでは華やいで見えるところに、何か闇の中で生きるもののような、奇妙な妖しさと不吉さのようなものを感じました。
 梶井基次郎は、著作の中で「桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる!」と書いています。また、古くは鎮花祭といい、桜の散る時期に疫病よけの神事を行ったともいいます。どうも、桜には華やかで心浮き立つようなイメージとともに、不吉な印象も付きまとうようです。
 今日見た薄闇の中の染井吉野を考えると、そんな不吉なイメージにもうなづけると思いました。

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